私が一度でいいから実物を見てみたいプレコに、アカリエスピーニョ・マラジョーと、ブルーフィン・パナクエがありました。そして、某所へ行った事により、後者のブルーフィン・パナクエにはお目にかかる事ができました。しかも、その後に手に入れる機会にも恵まれました。
某所で私がブルーフィン・パナクエを見て騒いでいたのを見ていたからかどうかは分かりませんが、その某所が、現地のシッパーにあるブルーフィンパナクエを全て買い取ったそうです。つまり、日本に大量の(といっても50匹程)輸入があると言う事です。そして、例の私のいきつけのショップは、5匹も仕入れると教えてくれました。「おいおい、一度に5匹ものブルーフィンパナクエを見比べる事なんて、まず出来ないぞ!」その日を楽しみにすること3日。やってきました。前回お目にかかった1匹と比べると若干サイズが大きい様な気がしますが、まぎれもなく本物のブルーフィンパナクエでした。
写真等では、横からしか見た事が無かったのですが、じっくりと全方向から観察してみると、なんとなくパナクエと呼ばれる訳が分かった様な気がしました。特に上から見た体型は、どことなくロイヤルプレコを彷佛させるような、独特の体型(頭部が大きい)です。ヒレは大きく、胸ビレあたりまでは太い胴が、腹ビレにかかるにつれて、急激に細くなっています。
しかし、厳密にはパナクエ属には属さない様な気がします。全くの個人的な見解ですが、カイザー系の顔を持つパナクエといった感じです。実際に横から見た横顔は、ペコルティア系というよりはカイザー系といった感じで、上から見た体型は、ブルーアイプレコを見ている様です。つまり、カイザー系と、パナクエ系を足して2で割った様なプレコといった感じです。この事に関しては、様々な議論を呼びそうですが、このプレコの魅力は失われる事は無いので、種の分類作業は専門家に任せるのが良いでしょう。
念の為に口を見てみましょう。どうでしょうか?この大きな口、歯の並び方、専門家なら、すぐにでも見当が付くのでしょうが、素人の私には見当がつきません。ただ言える事は、マグナムグループでは無い事です。
このプレコの最大の魅力は、なんと言ってもその体色に尽きます。今までのプレコでは無かった様な、スカイブルーに染まるヒレが印象的です。光の当たり具合によっては、頭部などは薄いベールをかぶったようにスカイブルーが現れます。良く似たプレコに、ブルーフィンプレコがいますが、普通のブルーフィンは黒色を基調色としているのに対して、本種は藍色が基調色で、それが染み出るようにスカイブルーが現れているような感じです。ここにある写真は購入した直後の写真なのであまり色が出ていませんが、現在の状態は最高です。底砂の色の関係もあるでしょうが、岩影から見えるスカイブルーのヒレがとても綺麗です。実際、ショップの底砂と比べると、私の水槽の底砂の方が若干明るめなので、それが綺麗な色を見せている要因にもなっているようです。
今回仕入れられた5匹は、それぞれ、6〜8cmサイズが4匹、4cm位が1匹でした。その中から私が購入した個体は、8cmで、一番ヒゲが良く伸びていて、全身棘だらけの個体です。特に、胸ビレには立派な刺が生えています。
プレコを語るにおいて、この棘の良さというのは、実際に飼育した者にしか分からないものです。多くはペコルティア系(タイガープレコなど)に見られるこの刺は、状態良く飼い込んでやると見られるものです。光の当たり具合では、全身が金色に光って見えます。また、この棘は、オスにおいて顕著に見られるものであるとも言われています。すると、書籍等では本種は15cm程になると記載されていますが、8cmでこれだけの棘が生えて、性的に成熟していると思われるので、最大でも10cm位にしか成長しないと考えられます。また、別の考え方をすれば、8cm位で成熟するなら、運良くオスとメスを手に入れる事ができれば、繁殖も夢では無いはずです。外見的な特徴では雌雄差は発見出来ませんでしたが、排泄口は、一般的に言われている雌雄差が当てはまるとするならば、メスの方がくぼみが大きい事になります。この事を頭に入れて詳しく観察していると、やはりその差は見受けられました。サイズの大きい4匹のうち、1匹はどうやらメスのようでした。排泄口のくぼみも大きく、ヒゲや棘は少なく、限り無く感覚の世界ですが、少し体長が、より寸詰まりの感じを受けました。
もちろん繁殖の事を考えて、ペアで2匹購入したかったのですが、いかんせんお値段が、、、曖昧な表現で、昔のオパールドットマグナム級の値段でした。これでは2匹購入は無理です。
しかし、繁殖の事は抜きでも、本種を飼育しているという喜びは大きいものです。最近少し冷め気味のプレコへの興味に少しの光を与えてくれました。おそらく、今回の輸入で、多くの方がショップで目にする機会があるでしょう。そして、多くの方には魅力の無い黒ずんだプレコにしか見えない事でしょう。しかし、環境を整えてやると、少なくとも一番上の写真の様な体色を見せるようになります。さらに落ち着いてくるともっと綺麗なスカイブルーの体色を見せるようになります。「プレコはショップでの姿が全てでは無い」これを改めて認識させる、すばらしいプレコの登場です。