さて基本的な撮影方法はふまえたところで、撮影に際して思いつく注意すべき点を少し挙げてみます。
※観察こそベストショットへの第一歩
あたりまえの事かもしれませんが、撮影の前に水槽をよく観察しましょう。魚がどのように泳ぎ、どのような力関係(テリトリーなど)にあるの かを把握しておくことは、撮影の準備などに非常に役に立ちます。私も時間さえあれば水槽を見ています。餌を与えた後どのような動きをするの か?照明をつけた直後はどのような動きをするのか?水槽内のどの辺りを泳いでいるのか?水槽に近づいた場合の反応はどうか?鏡を見せたとき の動きはどうか?などについて観察します。もっとも、アクアリストにとって自分の水槽を眺めているときが至福の時であることは言うまでもあ りませんけれど・・・(笑
それらの観察により、撮影対象とする魚の動きを予想します。例えば、動きの速いカラシンやラスボラの仲間などは、泳いでいる時に、一瞬
止まる事があります。アピストグラマでは興奮して相手を威嚇する直前に、体の角度や目の色が変わったりします。プレコやコリ
ドラスでは、必ずと言って良いほどお気に入りの場所や、泳ぐ道みたいなものがあります。
動きが予想できたらフレーミングも決めておくとなお良いでしょう。私の場合は、“この場所で撮影するぞ!”というのを決めておきます。そ れを決めるのは、背景の色や、光の加減などです。背景に水槽器具が写ってしまったり、コケだらけの水草が写るのはちょっと 格好がよくありません。よく雑誌等でアクアリスト宅訪問特集をやっていて、そのお宅での魚の写真が掲載されていますが、さすがプロ!短時間 ですばらしい写真を撮っていると思います。
※その他で用意したいもの
さてカメラとレンズが準備できたとしましょう。それだけで撮影は可能なのですが、もっと楽に撮影するために用意しておきたいものがあります。 それは、三脚です。しっかりとしたホールドができる場合でも、魚の撮影となると長時間に及ぶことがあるので、三脚に固定しておくと腕が疲れなくてすみます。もっとも、三脚を利用すれば手ぶれによる撮影ミスは極端に減るのはご承知の通りです。しかし、三脚に完全に固定し てしまうと不便な点があるのも事実です。なぜなら動く被写体を追いかけるのにカメラを固定してしまったのではせっかくのシャッターチャンス を逃してしまうことにもなりかねません。そこで私がお薦めしたいのは、横のと縦の動きをレバー一本で制御できるタイプの三脚です。私の愛用 しているものは安価なものですが、左手で三脚のレバーを操作し、右手でカメラを操作することができます。もっともマニュアルフォーカスの場合は左手はピント 合わせに忙しくなってしまいますが・・・
さらに用意したいものは、水槽の照明です。ストロボを使わないことを前提に話を進めていますので最低限のシャッタースピードと絞りを確保するための照明の増灯は行いたいです。
※どう構えるか?それも問題だ。
次に水槽を撮影という被写体であるがゆえにおこる現象を考えましょう。それは、水槽はガラスやアクリルであるため光の屈折を起こすのです。ピントがあっているはずなのに、微妙にぼけている・ずれている場合は水槽のガラス(アクリル)面で屈折が起きています。この現象は特に厚みが厚いものほど、角度が広がるほど顕著になります。実際に水槽の前面に近づいて体を動かさずに水槽の上部や下部の前面を見て下さい。微妙に像がずれていることに気がつくはずです。
ガラスの質や、水槽の素材によっても様々だと思いますが、一番良いのは水槽面に対してほぼ真っ直ぐにカメラを構え被写体をとらえることで、この屈折によるぼけを避けることができます。焦点距離の短いレンズで は、横に動いて被写体を追いかけるか、割り切って待 ち伏せ するしかありません。その点、焦点距離の長いレンズ を使えば、水槽から離れて撮影ができるため、三脚に固定したままでも広い範囲で適切にとらえることができます。ま、広い部屋に水槽があること が前提ですが・・・。以前、奥行きのある120cm水槽で飼育している魚を撮影する時は、三脚をひこずりながら横移動して撮影していました。
※ガラス越しの・・・
上で述べたように、ガラス越しであることは、また一つの問題を浮上させます。それは、ガラスは鏡になるということです。水槽内と外との光の差 が大きいと、ガラス面に光が反射してしまうのです。その結果、ガラス面への映り込みという現象を起こしてしまいます。ストロボを使用 しない撮影であるので、実際の見たままのものが写せますので、確認しながら撮影すればまず失敗は無いと思います。とりあえず昼間でもカーテン は閉めて撮影する。水槽内の照明が強い場合は部屋の明かりもある程度明るくする。を実行すれば問題なく映り込みは防ぐことができると思います。 私もうっかり水槽に近づきすぎて、水槽照明がカメラ本体に当たり、それが映り込んでしまったことがありますが、毎回確認するようになってから は、まず映り込むことは無くなりました。
さぁ、それではとりあえず撮影してみてください。日々の観察の努力の末に勝ち得たベストショットをカメラにしっかりおさめてください。
次回は“もっと綺麗に撮りたい!”です。