この章では撮影に関して最低限知っておきたい事について説明いたします。
※カメラの仕組み
はじめに、カメラを使って撮影するとはどういうことかについて簡単に説明します。写真のしくみは、レンズを通して得られる光を、フィルムに当てて化学変化を利用して感光させます。そのフィルムから写真台紙にプリントする事で私たちがよく目にする写真ができるのです。
このレンズを通してフィルムに当たる光の量を露出といい、フィルムを感光させるためには、フィルムの種類により、ある一定量の露出が必要になります。この露出を調整するのが絞りとシャッタースピードです。
また、カメラの中ではフィルムは暗室状態にあり、一切光にふれていません。シャッターボタンを押したときだけ光が入り、フィルムに当たる仕組みになっています。
※露出について
先ほど簡単にふれたように、露出とはレンズを通して入ってくる光の量の事です。この光が少ないと十分に感光できないためやや暗い写真(アンダー)となり、逆に光の量が多いと白っぽい写真(オーバー)になってしまいます。また、ほとんどのカメラに露出計というものがついており、フィルム感度に応じた適切な露出を得ることができます。マニュアル露出の場合は、上で述べたような、絞り・シャッタースピードを調節して露出を合わせます。
この露出計はカメラで覗いた視野のどの部分を観測しているかということを確認しておくことが必要になります。ほとんどのカメラでは視野の真ん中を観測していると思いますが、カメラの種類により様々な観測方法がありますので、各自で確認してみてください。なぜこのような事を確認するかというと、露出計の観測スポットにある被写体により、露出の適正値が求められない場合があるからです。白い物を被写体とした場合、実際よりややオーバー気味に測定してしまい、写真は暗いもの(アンダー)になってしまいます。白い花を写す場合などがその例です。
これだけ聞くと大変だなと感じるかもしれませんが、露出に関しては、ネガフィルムを使用する場合、プリントの段階である程度の補正ができますので安心してください。といっても写真屋まかせになってしまいますが・・・
※絞りについて
絞りはインスタントカメラ以外ほとんどのカメラのレンズについているはずです。数枚の薄い板で構成されており、それが開いたり閉じたりすることでレンズ内の光が通る穴の大きさを調整します。もちろん、絞りを閉じれば光の量は少なくなり、開けば多くなります。また、前ページのレンズの明るさは、この絞りを全開した状態のものを指し、fという記号を用いて表します。
実は、絞りは露出の調整以外にも大切な役割をもっています。それは被写界深度の調節です。被写界深度とは、ピントの合っている対象物の前後へのピントの合い具合(ボケ具合)の事です。被写体にピントは合っているが後ろの背景はぼけているような場合は被写界深度が浅く、逆にはっきり鮮明になる場合は被写界深度が深いといいます。モデル撮影などのポートレート写真では被写界深度を浅くし、風景写真などは、被写界深度を深く調整するようです。
絞りによる被写界深度の調整の仕組みを説明すると長くなるので割愛させていただきますが、絞りを絞るほど深くなり、開くほど浅くなることは把握しておいて下さい。またレンズの最小焦点距離や、フィルム感度によっても変化します。
※シャッタースピードについて
その名の通りシャッターが開く時間です。速ければ速いほどフィルムに当たる光の量は少なくなり、遅ければ遅いほど多くなります。また、シャッタースピードは速いということは、動く物を止まったように撮影する事に向いており、遅いシャッタースピードでは像をとらえることができずに、ぶれた写真となってしまいます。写真撮影において、シャッタースピードは被写体に応じて変える必要があります。
※露出の調節
さぁ、これまでをふまえて、露出の調節について考えてみましょう。
素早く動く物を撮影しようとする場合、必然的にシャッタースピードを上げる必要があります。その結果、フィルムに当たる光の量は少なくなります。そこで絞りを開放し光の量を増やしてやる必要があります。また、フィルムを感度のよいものにする事やレンズを明るい物に交換する事も効果的な事です。
細部まで細かい写真を撮影する場合は、被写界深度を深くする必要があります。その場合は絞りを絞ります。すると光の量が少なくなるので、シャッタースピードを遅くして感光させる時間を長くします。また同時にフィルムの感度の良い物にすることやレンズを明るい物に交換する事も効果的です。
粒子の細かい綺麗な写真を撮影する場合は、フィルムの感度の低いものにする必要があります。すると、多くの光が必要になってきます。そこで、シャッタースピードを遅くしたり、絞りを開放する必要があります。
簡単にまとめてみましたが、どうしても思ったような写真が撮れない場合は、これらの事を思い出してケースバイケースで考えてみてください。
次回はレンズについてです。